そんな字が、とても似合う音だった。 いつも通り、いつもの事を。 「あんたって、ホント懲りないのね」 「懲りない?」 へらり、と俺は目の前のワイルドキャットをに聞き返す。 「そーよ。あんたナンパして振られてナンパしてひっぱたかれての繰り返しでしょ」 「そうかな?」 またもや聞き返すと随分苛立った様子のワイルドキャット。 「そうでもないよ」 俺は毛並みを柔らかく撫でるような声でワイルドキャットに顔を近づける。 「どこが違うってのよ」 俺が近づいても彼女は動かない。 あぁなんて無防備なんだろう。 「振られるのは、全員違う人だよ」 怒気が高まるのがわかる。 俺はひっぱたかれるために少し心の準備をする。 そう。 これが、いつも通り。 |