今日は休み。
何をするわけでもない。
気に入りのケーキ屋は定休日。
たまにするホールケーキを1人ほおばることは出来そうにない。



 
とりあえず「朝」と呼ばれる時間帯には起床




ぼさぼさの長髪を適当にくくる。
梳かしもしないのは今日が完璧にオフになってくれる予感がしたからだ。
確かバロールの奴は仕事だ。
今日一日絡んでこないだろう。
とりあえず、小腹が空いていたのでキッチンに向かった。
素足に、フローリングのひんやりとした感触が心地よい。
うっすら埃を被っていたフライパンを軽くすすぎ、火にかける。
パチパチと音を立てて水が蒸発する。
冷蔵庫から、バターと卵、ベーコンを取り出しフライパンに広げる。
バターとベーコンという組み合わせに異論が周囲にはあるようだが独特の香りがたまらなく好きだった。
すぐに蓋をして、蒸らしている間に食パンを軽くトーストする。
何も塗らないのがカリカリして美味しいと思う。
ちりちりとフライパンのなかでベーコンが主張する。
パンもいい感じに焼けている。
蓋を開けると、部屋にゆっくりした朝と休日の香ばしい香りが広がった。
皿に乗せたトーストの上にベーコンエッグを乗せる。
椅子を引こうとして、少し止まる。
何か足りない、と思えば飲み物がなかった。
冷蔵庫からグレープフルーツジュースを取り出す。
洗いっぱなしで食器棚に入れていなかったグラスに注ぐ。
深く腰掛け足を伸ばし、トーストをかじる。
口の周りにパンくずがついても気にせず朝食を続けながら、そうか休みか、と改めて思った。




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